非ファンタジスタと五行

 
 本の抜萃です。
 
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 オシムは述懐する。
 
「ジェフに初めて来たとき、ひとりではいい選手が沢山いた。ただ、そういう選手がひとつのチームに固まっていたら、チームは成り立たない。誰が彼らのために走るのか? 近代サッカーにおいて走らない選手、足の遅い選手は、年齢に限らずもはや使えない。勇人はサテライトの試合を見に行ったとき、すぐに見つけることができた。彼は技術に問題はあった。しかし、気持ちが入って、走っていた。戦っていた」
 
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「誰が彼らのために走るのか?」・・ホントだよ、そう思う。だからファンタジスタはいらないんだ。いらないどころか、いてもらっては困るんだ。そいつひとりのために他の10人がいるんじゃないんだ。
 
 そういう視点は今までは無かったと思います。
 今までは逆でした。
 ひとりのファンタジスタがいたとして、監督はこう言った。
 
「みんなも頑張れば、ああなれるよ。ああなるのがサッカーの選手というものだ」
 
 こうして「個」が頂点を目指すようになる。。
 
 以下は、私のHPに書いたことですが、ここにも載せます。
 
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オシムジャパン新戦力直撃3人
●「FW我那覇和樹 沖縄魂でつかんだ夢の代表…オシムジャパン新戦力直撃(1)」
 
>インタビュー
 
―しかし、オシム・ジャパンは、まだチームとしてどのように点を取りたいのか、見えない気がします。
「僕が思うオシム監督のサッカーは、ボールと人が動くサッカー。『走る』というのは大前提で、頭と足を常に使う。点を取りにいくには、数的優位をつくって、3人目(ボールを持つ選手と受ける選手以外)を使った攻撃をする」
 
 ―3人目というと?
「体で覚えているから説明するのは難しいんですけど…。例えばシュートを打つときに(オシム監督から)『シュートを打つことは悪くないけど、自分がシュートを打とうとすることによって相手が食いついてくるから、空いたスペースの味方を使ってやることも大事』とも言われますね」
 
 ―ストライカーとして大事な要素と?
「そうですね。(シュートを)打って外れるよりは、確実に空いている味方にパスを出して決めてもらう方が、オシム監督の理想じゃないかなと感じますね。『シュートを打つことは悪くないけど』と最初に言うんですけど、周りを見て、空いている選手がいたら、そこを使えと言いますね」
 
 ―日本人は積極的なシュートが足りないという、ジーコ前監督らの見方とは逆ですね。
「そういう意味では意外でしたね。確かに日本では(積極的にシュートを打つだけで)通用するかもしれないけど、世界が相手なら周りが見えないといけないと思います」
 
 ―だから「3人目」が大事だと。
「常に『感じて』いないといけない。安心していてはダメなんです。誰かが決めてくれるではダメなんですよ。(味方がシュートを)打つな、と思っても常に動かないといけない。そういう状態でみんなが動いている。さまざまな場面でつながっているんです」
 
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 ここで言う「3人目」とは、影のような存在だと思います。
 計画になかったことです。
 間接的です。
 なんか、「五行」を感じます。
 
 間接になることが、ファンタジスタには難しいのだと思います。
 こうなると、生き方の問題かも知れません。
 オシムの選手になるには、生き方を変えなきゃならない・・。
 


2006年10月01日 00:37 | 投稿者:森田 健(もりけん) | コメント (36)

「ロングに茶髪にピアス」

 
 本の抜萃です
 
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 勇人はユース時代から自信がある分、プレーをシンプルにやって見せる癖があった。中距離のダイレクトパスなどを簡単に叩くと、ロングに茶髪にピアスという外見も影響するのか、コーチからはお前は手を抜いているとよく叱責されていた。不本意ではあったが、あえて反論もせずいた。当然モチベーションは下がる。しかしオシムは勇人の個性を看破していた。
 
 −中略−
 
 この頃になるとチーム内の雰囲気はシーズン前と大きく異なっていた。確固たる自信が選手に根付いていった。
 まず、走り負けない。同じ90分の中でも相手と自分たちのどちらが終盤になっても走っていられるか。そこでは絶対に負けないという自信。
 勇人には前半がドローでも後半になれば絶対に勝てるという確信が出てきた。後半終了間際になっても動けている自分が、嬉しかった。以前は先の展開が見えてくるとなるべくリスクを避けて動こうと思っていたが、むしろ勝っている時は積極的に前に上がっていく。トップチームに昇格してもサッカーに執着はなく、いつやめてもいいやと考えていた男が、初めて自分の人生にサッカーをシンクロさせたのだ。
 
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 以上です。
 
「ロングに茶髪にピアスという外見も影響するのか、コーチからはお前は手を抜いているとよく叱責されていた。不本意ではあったが、あえて反論もせずいた」・・というくだり、本人は頭に来ていたと思う(笑)。それでも「ロングに茶髪にピアス」をやめないところが面白い(笑)。
 だってサッカー選手には坊主とか、多いでしょ?
 それにくらべて、「ロングに茶髪にピアス」じゃあ。。(笑)
 
 おそらくわざとやっていたのではないかと思います。そういう目でしか見れない監督やコーチに対して無言の抵抗・・。
 
 しかしオシムは違った・・。何が必要で、何が必要でないか、分かっているんだ・・。「ロングに茶髪にピアス」・・それがどうした??という感じで(笑)。
 
 そういう監督に見いだされれば、後半もギリギリ走っちゃうよね・・(笑)。
 
 命令をされて走ったワケじゃないんだ。今ここで走れなければ、「ロングに茶髪にピアス」の意味もない・・と。


2006年10月02日 00:48 | 投稿者:森田 健(もりけん) | コメント (32)

シングルマイティになってはならない

 
 まずは本の抜粋です
 
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 キャンプでオシムはまた独自のメソッドを展開する。
 
 6日間で45分のハーフを12試合こなさせた。負荷もさることながら、ユニークだったのはそのメンバー構成だった。ポジション、年齢、レギュラー組、サブ組、それらを一度シャッフルして再構成されたチームを作り上げて戦わせたのだ。
 
 記者達は「今出ているのはレギュラー組ですか、サブ組ですか?」と広報に確認するほどに混乱していた。しかしそれこそが目的だった。
 
 ゲーム形式で負荷をかけて走力を蓄えさせるだけでなく、一切の先入観を排除した。
 リーグが再開されると、まるで想定済みだったと言わんばかりに、このキャンプで試行された成果がすぐに出た。
 
 ボランチの阿部と佐藤勇人がそれぞれ累積と怪我で出場できなくなった。攻守の要となるふたりが出られない。この重要なポジションをいったい誰がやるのかと注目を集めたが、オシムは右サイドハーフの坂本とDF茶野を置いた。本来の仕事場とは異なる起用。しかしふたりは高い質のプレーで見事に期待に応え、仙台戦を4−1で勝利を収めた。
 
 選手層が薄いと指摘されるジェフにおいて、複数のポジションができる選手を発見する、あるいは作り上げることは急務であったが、それを成し遂げていった。
 
 12節が終了したこの時点で、ジェフは首位に立っていた。
 
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 抜粋は以上です。
 
「人はひとつの人生に特化してはならない」・・きょうの、もりけんの言葉です(笑)
 
 サウジ戦の前、ゴールーキーパーの川口にピッチの中央に立たせて普通のプレイをされた記事を思い出しました。
 ゴールキーパーにも攻撃させるという記事も思い出しました。
 ゴールキーパーは、ゴールをキープしているだけではダメなんだよ・・ということでしょう。
 ゴールキーパーが得点を上げたなんてことは聞いたことがありませんが、ひょっとするとこれからのオシムのゲームではあるかも知れません。
 そのときゴールは誰が守るんだ?(笑)
 誰かが走って戻りゃいい・・(笑)
 
「ポジション、年齢、レギュラー組、サブ組、それらを一度シャッフルして再構成されたチームを作り上げて戦わせたのだ」・・これはスタートラインに立たせることだと思います。もう一方では、お前は駒なんだよと言っているようなものです。
 
 ふと思いました。
 
 駒とは、オールマイティのことだ・・と。
 
 特化するに従って、シングルマイティになるのだと。だからシングルマイティになってはいけない。言い換えれば、人はひとつの人生に特化してはならない。
 


2006年10月03日 00:19 | 投稿者:森田 健(もりけん) | コメント (28)

ライオンに追われたウサギ

 
本の抜粋です
 
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「市原の監督の言葉は深いぞ」
 
 会見や囲みの取材でオシムが紡ぐ言葉は、発信される度に大きな話題となっていった。
 この現象にクラブ側も注目した。
 ジェフは日本代表選手を抱えるわけでもなく、お世辞にも話題が豊富なクラブとは言えなかった。
 そこで「オシム語録」を作って幾つかの発言を採録してクラブのホームページにアップし始めた。
 すると瞬く間にアクセス数が1万件を超えた。
 勇人がハッとしたのは、次の言葉をチームメイトから伝え聞いた時だ。
 
− あれ、これ、勇人のことじゃないか?
 
「ライオンに追われたウサギが逃げ出す時に、肉離れをしますか? 要は準備が足らないのです」
 
 怪我をしていた勇人は、ああ、俺のことを見ている、なるほど、うまいことを言うなあと感じ入った。
 
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 抜粋は以上です。
 
「ライオンに追われたウサギが逃げ出す時に、肉離れをしますか? 要は準備が足らないのです」・・これを言う、オシムもオシムです。
 
 だって準備が足らないと言われるのは、監督の側が多いように思います。
 
「こんなはずじゃなかった」と言って、周囲のせいにする監督は多いです。だからインド戦に向けて、ピッチの芝や、宿舎のシャワーの状態まで調べさせています。
 
 オシムは選手に言うときは、必ず自分にも言っているはずです。
 
 選手集めのために、雨の中を傘を差さずに見ていました。
 
 一昨日も雨でした。
 ガーナ戦に向けて集めた選手を、雨の中で指揮していました。
 
 オシム語録が深いのは、彼が外側にいないからだと思います。だから勇人もハッとすることが出来るのだと思います。
 


2006年10月04日 00:46 | 投稿者:森田 健(もりけん) | コメント (22)

「分からん」選手の頭からの突進

 
まずは「分からん」選手の紹介てせす。以下はニュースの抜粋です。

>DF青山らとグラウンドの周りを走っている間も、播戸は多彩なビブスを用いた練習を不思議そうに見つめた。「(練習を)見ても分からんかった。急に入っても分からんね。ホンマに分からん。遠慮するというよりも、分からんかった。戸惑い? それより分からん…」と難解なオシム流メニューに「分からん」を連発した。ところが、ガーナ戦での先発デビューが濃厚となった。突然の抜てきだった。練習開始1時間半、最後のメニューの紅白戦で合流し、巻との2トップで主力組の青いビブスを渡された。「先発? えっ? あれがそうなん? ホンマなん?」。MF長谷部のパスを受け、右足でシュートも打った。たった8分の試合時間でアピールしたかに思えたが、実は「あそこでシュートを打っていいのかも分からんかった…」。プロ入り直後、G大阪で出場機会がなかった18歳の時でも「何でオレを代表に呼ばんか分からん」と強気だった。99年のワールドユースで着たユニホームは、兵庫・琴丘高時代の恩師樽本監督に贈った。「A代表の(ユニホーム)をすぐにもらいますから」。長い月日を経て、夢に手が届くところまで来た。
 
 その彼が後半、頭から突っ込むシーンを見せました。
 ガーナのスパイクカーが蹴り上げようとするところに、彼は低く、頭から突っ込みました。
 ガーナの選手はボールを蹴れずに、彼の頭を蹴りました。
 彼は倒れ込み、頭から血を流しました。
 
 彼は試合開始前、
「考えて走れと言われるけど、俺には何を考えていいか分からない。なので考えないで走るしかないです」
 というコメントを残していました。
 
 その結果がこれでした。
 その直前に、彼はフリーのゴールを逃しています。
 彼は地面を叩いて悔しがっていました。
 その結果が、これでした。
 何も考えてはいなかったと思います。
 
 これはガーナのファウルになり、マイボールになりました。
 
 もしかするとチャンスになるかも知れない・・。
 残念ながらそれはゴールには繋がりませんでした。
 
 しかし27歳でやっとつかんだ代表のユニホーム、しかもオシムの試合に出れるのは最初で最後かも知れません。
 
 何が言いたか・・別にありません。
 単純な私は、こういうシーンに弱いのです。
 


2006年10月05日 00:04 | 投稿者:森田 健(もりけん) | コメント (33)

「3人目」

 
 オシムは言っています。
「3人目がシュートしろ」・・と。
 
 二人目までは相手が誰だか分かっている状態です。
 しかしここで言う「3人目」とは、空間上にはまだ存在していない人のことです。
 敵にとっては視野に入りようがありません。
 存在しないのに、見ることは出来ないからです。
 
 しかし今回のガーナ戦では「3人目」が多用されていたような気がします。
 
 未来に、そこに存在する可能性を考えたパスです。
 
 今までのパスの方式が従来のニュートン型だとすれば、「3人目」は量子力学的とも言えます。
 確率的にしか、存在しないからです。
 
 運命の解明に対して、この「3人目」というのが切り札になりそうな気もします。
 
 それは言い方を変えれば「まさか」の存在だからです。
 
 バッタも「まさか」に入るし、羊の携帯ストラップも「まさか」に入ると思います。
 


2006年10月06日 00:38 | 投稿者:森田 健(もりけん) | コメント (34)

自分はボールの道具

 
 試合が負けても、なぜかみんな、いい顔をしていました。
 いままでのサッカーなら違います。
 悲壮な顔をしています(笑)。
 
 爽快な顔をしていた一つの理由は、「自分ひとりに責任はない」ということだからだと思います。
「自分ひとりに責任はない」・・というのは私の著書「私は結果」の帯のコピーです。
 
 そこにファンタジスタがいれば
「俺があそこでシュートを決められなかったのが原因でした」
 などと、ひとりでカッコ良く背負い込む発言をするでしょう・・
 
 でもそういう発言は、ほとんどありませんでした。
 
 もうひとつの理由・・それは試合中にも、やはりいい顔をしていたことです。
 みんな汗びっしょりでした。
 今回は、あまりの汗に、飲んでいたお茶を置いたくらいです。
 のうのうと飲んでちゃ、悪いような・・。
 
 さらにもうひとつの理由は、あの流れるようなプレイです。
 ワンタッチでパスを出せば、本人の技の見せ場はありません。
 しかしボールは流れるように動いていました。
 
 主人公はボールなんだと思いました。
 いままではそれを勘違いしていたと思います。
 ボールは、ファンタジスタが芸を披露するための道具である・・と。
 
 逆でした。
 選手はボールの道具なのです。
 
 自分が道具と化すことで、意識から無意識の世界にバトンタッチするような気がしました。
 伝わってくる気持ちの良さは、その辺にもあるような気がしました。
 


2006年10月07日 00:24 | 投稿者:森田 健(もりけん) | コメント (39)

インド戦の感想を・・

 
 私はインド戦は見ていません。
 ところで記事の中に、以下のものがありました。
 
>オシム監督は、アウエーで3−0の勝利にも満足しなかった。試合後の会見で「この試合で満足していたら、監督の資格はない。デコやロナウジーニョのようなパスを出そうと考える選手もいた」と話した。前半ロスタイムにDF阿部がセットプレー時にマークを外したことや、後半から個人プレーに走る選手が出てきたことに激高した。
 
気になります。
 試合を見ていた人はどう感じたでしょうか?
 
 是非、感想を入れて下さい。


2006年10月12日 22:14 | 投稿者:森田 健(もりけん) | コメント (38)