テーマ:「下條さん講演会2003.11」
書き込み期間:2003/11/16〜2003/11/18
要旨:
今回の下條さんの講演会の演題は「他者の心」でした。
心理学の実験によると、他者の心という概念が出来ないと、自分の心という概念も出来ないのだそうです。
幼稚園での実験によると、三歳の園児には自分の心と他者の心との区別がなく、全て自分の心と同じだと思っている実験結果が出ました。
この話から考えれば、「自分の中にすべてがある」というのは逆で、自分のすべてを知るには世界全体を知る必要がありそうなのです。
また、ベイズの定理に基づいた問題が出されました。ベイズの定理とは、未来のなどの不確かな事柄に対して確率を見積もっていく定理です。数学上の定理の確率と人間が直感的に判断する確率は一致するのか、というのがこの出題のテーマです。
ベイズの定理が正しいことは、実験によって明らかにされています。しかし六爻占術を持ち込んだとしたら、話は違ってきます。場が全く取れない状況ではベイズの定理がそのまま適用されますが、場が取れるようになると、コインを振ることによって確率は上がるはずです。
これは、ベイズの定理を超えた定理が存在するということを示しています。それが未来方程式です。時空の解明のために、この分野でも六爻占術による実験はやってみるべきだと思いました。
イラクに行ったことのある講師の話によると、戦争の起きた現場に行っても何も分からないのだそうです。そこは結果の世界だからです。結果の世界に行っても場は取れないということです。本当の現場は別にあるのです。
六爻占術では遠隔で場を取れるので、実際に現場に行く必要がありません。しかし本当の現場は時空全体で、そここそが奴の居場所かも知れないと思いました。
目次
○下條さんの講演会
○講演会で出た問題
○現場は時空全体
下條さんの講演会

 下條さんの講演会に行って来ました。大変に面白かったです。
 まず、有名な講演者は一人も来ません(笑)。しかも下條さんとて、それほど有名ではありません(笑)。しかし会場は満員でした。
 まず最初の講演者は、ビデオのスクリーンにだけ登場して講演しました。本人が来ているにも関わらず・・です(笑)。
 その講演者は東大の教授です。本人は最後に出てきて、こう言いました。
「こんなにエネルギーが余ってしまった講演会は初めてです。だって本人が来ているのに、生で喋らせてくれないのですから。」(笑)
 講演は、別にビデオである必要性はありませんでした。椅子に座って、カメラに向かって喋るだけですから・・(笑)。
 東大教授ですら、こんな講演実験(笑)に参加させてしまう下條さんは、すごいと思いました。
 何故こんなことをしたのかというと、実在とは何か・・というのがテーマの一つだったからです。

 みなさん、自分の心も分からないのに、他者の心なんて、変だと思いますか?
 私もいきなり「他者の心」などという演題が出てきて、ビックリしました。
 でも心理学の実験において分かったことは、自分の心を知る前に、他者の心なのだそうです。
 つまり他者の心という概念が出来ないと、自分の心という概念も出来ないのだそうです。
 それは外国を旅行することにも似ています。外国に行くと、逆に日本のことがより分かってくると言います。
 さて・・その実験です。場所は、ある幼稚園です。
 三歳と五歳の園児にビデオを見せます。次のストーリーです。
 部屋には冷蔵庫とバスケットが置かれた机があります。
 一人の男子園児が入ってきて冷蔵庫を開けます。
「あれ、こんなところにジュースが入っている。そうだコップを持ってこよう」と言って、部屋を出ていきます。
 少し時間が経ってから、今度は女子園児が入ってきます。そして冷蔵庫を開けます。
「あれ、こんなところにジュースが入っているわ。外に持っていけるように、バスケットの中に入れておきましょう」と言って、バスケットに入れて蓋を閉めます。
 さて、これを見ていた五歳児に質問します。
「次に男子園児がコップを持って入ってきたら、どちらに行きますか(冷蔵庫かバスケットかという質問です)。」
 五歳児全員が「もちろん冷蔵庫です。なぜなら、女の子が入れ替えたことを彼は知らないから」と答えました。
 当たり前でしょ・・という感じです。何が面白いのか、この実験・・(笑)
 そして今度は三歳児です。驚くべきことが起こりました。
 全員がバスケットだと言ったのです。理由は「だって、ジュースはバスケットに入っているから」です(笑)。
 つまり三歳児には、「他者の心」が存在しないのです。全て自分の心と同じだと思っているのです(四歳児は半々だそうです)。
 自分がビデオを見ている過程でバスケットに入っていると知ったので、同じように、ビデオの男子園児も知っていると思っているのです。

 この実験は、心理学の世界で大変な衝撃を与えたそうです。
 自分を知ることではなく、他者を知ることが、人間としての成長の一歩だと知らせたからです。
 チンパンジーとかゴリラも、僅かですが、他者の心を認識するそうです。
 それほど大変なことなのです。他者の心・・とは。
 私はこの後、他者としての神が登場した歴史について考えました。
「自分の中にすべてがある」上記の実験では、順序は逆のようです。
 自分のすべてを知るには、世界全体を知る必要がありそうです。
 下條さんの講演会の面白さは、講師が数人出ましたが、出る前に紹介はありません。いきなり喋り始めます。有名な人ではないから、余計に不気味です(笑)。
 講師は人生について語りません。語るのはデータのみです。しかし逆に、人生を考えます・・。

講演会で出た問題

 カセットテープが二本あります。
(1)のカセットにはA面にサザンが入り、B面にスマップが入っています。
(2)のカセットにはA面とB面の両方にサザンが入っています。
 真っ暗な中で、どちらかを取り出してデッキに入れて再生するとサザンがかかりました。
(1)である確率はどれほどでしょうか?

 この問題ですが、客観的な数値が実在なのか、それとも主観的な感覚が実在なのか・・という、訳の分からないテーマでもあるのです(笑)。なにせ出題者は心理学者ですから・・
 この問題は、ルーレットに対応させて考えることも出来ます。

[解答]
 ベイズの定理により
 確率=(1/2×1/2)÷(1/2×1/2+1/2×1)=1/3
 ですので1/3が正解です。

 なーんだ、つまんない・・・と思いませんか? 私は、思いました(笑)。
 ベイズの定理を知りたかったら、インターネットで検索すれば出てきます。
 ところでベイズの定理を知らなくてもこの問題は解けます。
 サザンのブロックは三つあります。
 テープ(1)のA面と、テープ(2)のA面と、テープ(2)のB面です。
 三つあるブロックのうち(1)である場合は一つしかありません。とすれば1/3です。

 さて、下條さんの講演会の最初に、何故これが出たのでしょうか・・
 講演者本人が来ているのに、講義のビデオを流すためでもあります。
 ビデオで淡々と数式を説明して、観客が眠くなるという体験をするためでもあります。現に隣の人はグーグー寝ていました(笑)。
 講師が書いたパンフレットには次のように出ていました。
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<確からしさの数理と直感>
 私たちは未来のことなどの不確かなことに対しては、それがどのくらい確かであるかという度合い、すなわち確率を見積もっていく。ベイズの定理は確率の更新を合理的に行うための数学上の定理である。しかし人間が直感的に判断する確率はベイズ解と大きく食い違うことがあり、数理的には理解できてもリアリティが感じられないことがある。
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 下條さんは講師のビデオが終わると、次のように言いました。
「例えばどちらのカセットテープかを賭をしたとすれば、ベイズの定理の通りに賭けるかと言えば、違うと思います。人間の生活は複雑で、確率の各要素に、重みが付けられます。」
 講演の骨子は以上です。ビデオで登場した先生は、単に導入部にしかすぎません。
 ベイズの定理の部では、「だからどうした?」と言われても、何も返す言葉がありません(笑)。

 さて、もしもあなたが講演会に行くと、ここまでの話しか聞けません。
 しかし私の書き込みは、まだ続きます。これからが本番です(笑)。
 私がこの講演会に行くことは、時空の始まりから決まっていました。なぜならコインを振って決めていないからです。
 ですので意味があるかも知れません、精神世界風に言えば(笑)。
 まず思ったことは、今まで聞いたこともなかったベイズの定理とやらに出会ったことは、これからの時空の解明の大きな一歩となるかも知れません。
 講師は言いました。「ベイズの定理が正しいことは、何度も実験してみれば分かります。サザンが出てくる時、(1)のテープである場合は1/3になるからです」
 しかし、私がサザンのファンで、スマップは嫌いなとき、サザンばかりのテープ(2)を聴きたくて、次にそれが出るかを選べるには、おそらくコインを振って分かるはずです。
 場が全く取れないとき、ベイズの法則が適用されます。ですので場さえ取れれば、確率は上がるはずです。いつか私はこの実験をやってみようと思います(トラさんに用神の取り方を正しく聞く必要はありますが(笑))。

 さて、私の実験がもしもうまくいき、何度やっても再現できるのなら、ベイズの定理が違うのか、もしくはベイズの定理を越えた定理が存在することになります。
 私はそれを、いち早く「未来方程式」と名付けています。
 株や為替や天気の予測などは経験則がものを言います。
 だからそれが当たったかと言って、未来方程式が関係しているとは限りません。
 しかしベイズの定理の場合は違います。経験則は何の役にも立ちません。
 そういう分野で六爻占術はやってみるべきだと思いました。
 ベイズの定理のことを発表した東大の先生は1953年生まれでした。私よりも二つ下です。23年後まで生きていてほしいです(笑)。
 いえ、それ以前に、結果をこの先生に送ったらどういう反応をするでしょうか・・・
 占いでやったと言えばおそらく相手にしないでしょう。私の実験過程と結果を疑うでしょう。
 しかし、私と下條さんが友達だと言ったらどうでしょうか・・
 もっと言えば、私がまかり間違って、権威あるところで認められてしまったらどうでしょうか・・
 科学とは権威の世界だと思います。だから私は「何故」の方に興味があります。
 ベイズの定理が崩れる日、それは人類が初めて未来を手にする時です。確率から抜け出す日なのです。

現場は時空全体

 次は、共同通信社にいて、現在はフリーのライターをしている人が話しました。
 まずは、「他者の心」というテーマを再び出しました。政治の世界では「他者の心」の戦いなのだそうです。
 幼稚園の実験に例えれば、コップを取りに行った男子園児とジュースをバスケットに入れた女子園児は、ドアの向こうで対面して話す場面を想定するのが、大人の世界であり政治の世界だと言いました。
 男子園児に「ジュースを見つけた?」と訊かれて女子園児はどう答えたか・・
 ビデオを見ている側は、それをも想定するのが政治記者だと言います。
 女子園児は「バスケットの中にあったけど、あれは先生のよ」などと言うかも知れません(笑)。
 答えによっては、三歳児のが正解となるかも知れません。
 本来あるかないか分からない「他者の心」を推定して行動するのが大人です。
 さて、話はイラク問題になりました。
 講師は実際にイラクに行ったことがあります。戦争前と戦争後の二回です。
 でも「現場」に行って何が分かると言えば、何も分からないそうです。
 インターネットで各種の情報を集めた方がよほど良いと言いました。
 彼に言わせれば、「現場」はワシントンであり、ロンドンであるのです。バクダッドは結果にしかすぎません。
「現場」は「場」とも言い換えられそうです。結果の世界に行っても、場は取れません。
 彼は言いました。「現場が拡散して見えなくなったのが現代だ」・・と。
 ここに気づいた彼は、本当の場に近付きつつあると思いました。
 六爻占術では、遠隔で場を取れます。「現場」に行く必要はないのです。
 私も時々書きます。「事件は現場で起こっている」・・と。
 しかし現場は時空全体かも知れません。
 本当の現場に乗り込んだとき、それは奴の居場所かも知れません・・
 踊る大捜査線・・舞台はいよいよ時空です。

書き込み期間:2003/11/16〜2003/11/18